1988年 安田理深 東海相應学会
安田理深(1900-1982年)は真宗大谷派に僧籍をもつ仏教学者です。大谷派僧侶で仏教思想家でもある金子大栄の著作から親鸞思想に衝撃を受け大谷大学へ入学、曽我量深らとともに興法学園や乳水園を設立し、私塾学仏道場相応学舎を開設し教理学や唯識などの公儀を行いました。
本書は東海相應学会(愛知県長泉寺)で昭和49年から56年まで7年間、72回の安田理深の『教行信証』「信巻」の講義を起こしたもので、曽我量深の「救済と自証」「伝承と己証」といった課題を継承し親鸞教学の解明に一石を投じてきた安田の晩年の思想です。全10巻に及ぶ「信巻」への試みは、親鸞の大きさを物語り、また後進思想家たちの礎だと言えるでしょう。
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