西谷啓治監 上田閑照ほか編 1999年 創文社
ドイツ神秘主義（ゲルマン神秘思想）は14世紀から顕著になった観想と神秘体験に基づくキリスト教内の宗教思想です。当時、救世主へ一心に身をささげる放下によって神と一体になることを望み、また自らの精神（魂）を見つめることを中心に据えた思想が個別的に発生してゲルマン語圏に広がりました。たとえば神学者マイスター・エックハルトが代表的な人物として挙げられ、まさしく神と自己が合一し、神の源初である無を理解する、という教義を唱えました。この潮流はカトリック教会内で生まれたにもかかわらず、宗教改革でルター派の一部へ大きな影響を与えました。
ゲルマンの宗教思想潮流が本叢書において体系的な把握がなされることと思います。
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