1995年 オリエント出版社
『医心方』は、平安時代に宮中医官を務めた鍼博士・丹波康頼が撰した現存する日本最古の医学書である。
全三十巻構成で、医師の倫理や総論、各種の疾患への療法や保健衛生、養生法などの解説が加えられ、さらに医療技術や医学思想などが書かれている。唐代にあった医学書を中心に引用して、27巻は12世紀平安時代に、1巻は鎌倉時代、2巻と1冊は江戸時代にそれぞれ書写されました。なお古来の医書から数多く引用されているため、損失したものもあり、その復元を『医心方』から試みることができるということもあり、文献学的な価値や国語学や書道の歴史などにも強い影響をもっている書物になります。
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