平成13年 筑摩書房
中島敦(1909~1942)。小説家。代々漢学に精通した家に生まれ、東京帝国大学を卒業後、私立横浜高女の教師となる。そのかたわら小説を書いていたが、世に知られるまでには至らなかった。南洋庁の教科書編集書記としてパラオへ赴任する。そのころ「山月記」と「文字禍」が「文学界」へ掲載され、評価を受ける。帰国後は作家として歩みだす決意をし、「弟子」や「李陵」を書き、『光と風と夢』『南洋譚』を刊行する。そのさなか持病の喘息の悪化によって死去する。
二十五年を経てすべての原資料に当たり直し編纂された決定版全集。新発見のエッセイ2篇と未翻刻のノートなどを活字化し、生前未刊行のものについては、原文にある抹消・挿入・併記を本文中に表示した。中島敦のすべてが詰まった全集です。