昭和45年～ 市原善積 ほか編 誠文堂新光社
日露戦争後、1905年のポーツマス条約により長春～旅順間の東清鉄道とその支線、付属する検疫や財産など経営権を清国の承認を経てロシアから獲得した日本政府がこの権利を運用するために06年に創立した国策会社が南満州鉄道株式会社です。後藤新平が初代総裁を務め、鉄道と撫順炭鉱・鞍山製鋼所を中心として交通・鉱工業・商業・拓殖など幅広い経営をしました。また付属地一般行政権と警備駐兵権を後ろ盾に満州経営の中核をなしました。特に満州事変以降は勢力を拡大し、大コンツェルンを形成に至ります。敗戦後は全資産をソ連が接取し、ヤルタ協定により中ソ合弁で経営され、52年には中国へ返還されました。
幻の車両の形式図が納められた「南満州鉄道の車両」。車両技術発達史を中心に線路や運輸などの変遷をまとめた「「あじあ」と客・貨車のすべて」。各車両へまで詳細に迫る「鉄道の発展と蒸気機関車」。どこか懐かしい「おもいでの南満州鉄道」南満州鉄道の基礎書物といっても過言ではありません。
