平成13年 渡辺宝陽 監修 ほか編 四季社
日蓮が記した書状や著作が「御書」と呼ばれるのは、鎌倉時代の日蓮宗の僧富木常忍の『日常置文』へさかのぼることができ、初期の頃から日蓮教団に広く呼ばれております。また「御遺文」、「祖書」、「御妙判」とも称される。『昭和定本日蓮聖人遺文』には、正編434編・続編55編・図録30編・断簡357点・目録19点が収録されておりますが、宗派や研究者それぞれによって偽書とされるものや断簡があるため総数は明らかにされていない。
本書はその中で重要な3編「三大部」である『立正安国論』『開目抄』『歓心本尊抄』を丁寧な傍訳で仕上げたものになります。監修者の渡辺宝陽は仏教学者で立正大学特別栄誉教授と学長を務めた人物で、日蓮宗大僧正・法立寺の住職でもありました。日蓮教学の基礎として座右の一書です。