2004年 人文書院
ジョルジュ・アガンベン 1942-
イタリアの哲学者。当初は美学者として活動を始め、近年は政治哲学に集中している。ホモ・サケル、ゾーエ、ビオスなどの概念に関する研究でよく知られている。マルティン・ハイデッガー、ヴァルター・ベンヤミン、ミシェル・フーコー、イタリアのネオマルクス主義の影響下に思想を形成。美学と政治を自在に往還する視点から、「言葉を話す動物」としての人間について思索をおこなっている。アガンベンは自身を「言語とグローバルな規模での社会紛争に関心を持った公共的な思想家」であるとしているように、基本的には言語論(芸術論を含む)と政治哲学の両輪で思索をすすめている。
本書は弱冠28歳のアガンベンの処女作であり、1990年代からの生政治、あるいは生権力への方向性を強めていくことになる出発点ともいえる一冊です。