2002年 平凡社
トマス・アクィナス 1225-1274
中世のスコラ哲学者・神学者。
南イタリアの貴族の出身。ドミニコ修道会に入り、パリでアルベルトゥス・マグヌスに師事し、1252年からパリ、イタリア各地の大学教授となり『哲学大全』を書いた。キリスト教とアリストテレス哲学、信仰と理性、超自然と自然の調和を試み、普遍論争を終わらせた。アリストテレス哲学と神学、すなわち理性と信仰の調和をはかり、実在論の立場にたち、教会の現世支配を認めた。スコラの完成者といわれ、「天使的博士」と呼ばれた。 6主著『神学大全』などのほか、聖書、アリストテレスその他の注解、討論、詩などの著書がある。
本書は中世最大の思想家の哲学と神学と信仰の全体はいかにして形成されたか、存在と精神をめぐる問題群へ、講演・講話、論争文、書簡等から多角的に窺う一冊です。