2002年 岩波書店
杉田英明(1956-)
東京都新宿区生まれ。
比較文学比較文化・中東地域文化研究専攻。東京大学大学院総合文化研究科教授。芳賀徹の弟子。
1993年に『事物の声 絵画の詩―アラブ・ペルシア文学とイスラム美術』でサントリー学芸賞受賞。1996年に『日本人の中東発見』で地中海学会ヘレンド賞。1997年に日本比較文学会賞受賞。2003年に『葡萄樹の見える回廊』で島田謹二学芸賞受賞。2015年に『アラビアン・ナイトと日本人』でアラブ首長国連邦のシェイク・ザーイド・ブック・アワード(英語版)の他言語によるアラブ文化賞を受賞した。
本書は、「走れメロス」は古代地中海の物語圏から、どのようなルートを経て極東に達したのか。薔薇水、数珠、そして火に入る蛾や大地にそそぐ酒といった詩想のような、中東とヨーロッパ、中東と東アジア、二つの文化交渉がしるした、事物・詩想・説話の壮大な伝播の回廊を描いています。
異なった宗教・文化である日本とイスラムの知られざる関係を明るみに出すとともに、中東とヨーロッパ、二つの文化圏の相互に絡み合った影響と歴史を物語った1冊になっています。