「おおきな森」を入荷いたしました。

2020年 講談社

古川日出男 (1966-)

作家。1966年福島県生まれ。早稲田大学文学部中退。

1998年、長篇小説『13』でデビュー。第4作となる『アラビアの夜の種族』(2001年)で日本推理作家協会賞と日本SF大賞をダブル受賞。現代語全訳を手がけた『平家物語』はTVアニメ化され、続く『平家物語 犬王の巻』も劇場アニメとして映画化された。執筆と並び朗読を軸とした表現活動も継続しており、音楽家、美術家、漫画家、舞踊家など他ジャンルの表現者との共演・共作をはじめとする多様なスタイルによるライブ・パフォーマンスを行なっており、朗読CDやDVDも発表している。2011年の東日本大震災の後には、自身が脚本・演出を手がける朗読劇「銀河鉄道の夜」のプロジェクトや、言葉と表現をテーマにワークショップなどを行なう「ただようまなびや 文学の学校」の主宰など、集団での活動にも取り組みつつ自らの文学表現の領域を拡張。世界各地で開催されている文学イベントにも度々参加し、講演や朗読パフォーマンスがいずれも高評を得ている。

小説家兼探偵・坂口安吾が、疾走した高級コールガールの行方を追う「第一の森」。記憶を持たない男・丸消須ガルシャが乗った列車で不可解な殺人事件が起きる「第二の森」。小説に導かれ京都、長崎、東北と漂泊し、手記「消滅する海」をしたため続ける”私”。複数の異なる世界からなる本作。坂口安吾、ボルヘス、フリオ・コルタサル、ガルシア゠マルケスなど、実在した小説家をもじった登場人物が主人公であるのも興味深いです。SFでもあり、重厚な文学作品でもあり、ジャンルやあらすじ容易に説明することのできない、独特な世界観が最大の魅力になっています。7センチもの厚さのある、読み応えのある幻想文学をぜひお楽しみください。

書籍詳細・ご注文はこちら