2017年 早川書房
ウラジミール・ナボコフ (1899-1977)
ロシア生まれのアメリカの小説家、詩人、批評家。
貴族の出身で、ロシア革命のため1919年亡命。 1922年ケンブリッジ大学卒業。約20年間ドイツ、フランスに住み、ロシア語で創作をしたが、1940年渡米。『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』 (1941) 以後、英語で作品を発表。 1945年帰化。 1955年、中年男の早熟な少女への愛を描いた『ロリータ』 Lolitaが最大の代表作として知られている。パロディー、ことば遊びなどの技法を用いて、独自の審美的、実験的文学空間を創出した。チョウの研究家としても知られる。
「ロリータ」、「青白い炎」と並び、著者の3大代表作ともいえる本作。
架空の惑星「アンチテラ」を舞台に、従兄妹同士であるヴァンとアーダの近親相姦的な関係がエロティックかつユーモアを交えて描かれています。歴史改変SF、またはパラレルワールド作品ともいえる、なんとも奇妙な世界観に溢れています。著者の作品の中で最も長編であり難解と評され、想像力と遊び心があふれた、ナボコフの世界にどっぷり浸かれる1冊です。