2016年 農山漁村文化協会出版
奥村 彪生 (1937-2023)
和歌山県すさみ町出身、奈良県香芝市在住近畿大学理工学部中退。料理研究家の土井勝の料理学校に入学し、25年間師事した。同校職員として27年間勤務し、教務主任も務めた。その後、食物史学者の篠田統と出会い、独立して伝承料理の研究を行う。
日本で唯一の伝承料理研究家・食文化研究家として、飛鳥万葉時代から江戸、明治、大正ならびに昭和の戦後まで、全国のお雑煮や、まんが「サザエさん」などの様々な料理を文献記録に基づいて再現、展示会を開催。
「奥村彪生料理スタジオ・道楽亭」を主宰し「料理界のじいじ」と称される。
「日本料理」はどのように生まれ、形成されてきたのか。
刺身、すし、てんぷら、出汁、雑煮、おせちなど、世界が注目する「日本料理」形成の謎に迫り、通説に挑んだユニークな本作。過去の多様な文献・図版などの読解と、著者の幅広い食体験による豊富な知識から導き出される大胆な切り口の考察は読みごたえも十分です。縄文から現代まで、料理から調理法・調味料・食器具・食習慣まで、壮大なスケールでたどる日本の食文化研究の集大成ともいえる大作です。