2016年 藤原書房
エマニュエル・トッド (1951-)
フランスの人口統計学者、歴史学者、人類学者。研究分野は歴史人口学、家族人類学。人口統計を用いる定量的研究及び家族類型に基づく斬新な分析によって広く知られている。作家のポール・ニザンを祖父に持つ。
フランスの国立人口学研究所に所属していたが、2017年に定年退職。2002年の『帝国以後』は世界的なベストセラーとなった。経済現象ではなく人口動態を軸として人類史を捉え、ソ連の崩壊、英国のEU離脱や米国におけるトランプ政権の誕生などを予言したといわれている。
伝統的な家族構造が多様な近代化の道筋をつけたと論証してきたトッド。
家族構造が不変のものではなく変遷するという方法の大転換となる考えをもとに、家族構造の起源が核家族であること、現在、先進的なヨーロッパや日本は、その原始的な家族構造を保持しているという説を発表した衝撃の内容となっています。著者の家族構造研究における集大成ともいえる1冊です。