2017年 勉誠出版
澁澤龍彦(1928-1987)
小説家、評論家、フランス文学者。本名澁澤龍雄(たつお)。
1953年東京大学仏文科を卒業。1959年サドの『悪徳の栄え』を翻訳出版し、1961年猥褻文書販売・所持罪となる。サドおよびフランス現代文学の翻訳、中世ヨーロッパの悪徳文学と東西文化のエロス的異端の系譜などを追求し、評論、小説などに活躍した。1962年小説『犬狼都市』『神聖受胎』、1964年『夢の宇宙誌』、1965年『新サド選集』『快楽主義―現代人の生き甲斐(がい)を探求する』、1967年に『エロティシズム』、1971年『黄金時代』、1972年『悪魔のいる文学史―神秘家と狂詩人』など、形而上学的なイメージを描いた。
澁澤龍彦の彼の盟友として、その人物像と全作品に精通している仏文学者の巖谷國士・明治学院大名誉教授が、半世紀近くにわたって発表しつづけた全5巻のエッセーとトーク集である本作。澁澤龍彦の作品世界とその細部にとどまらず、魅惑的な人物像とその生き方をふくめて、さまざまな知見や解釈が散りばめられています。
Ⅰ~Ⅲ巻はこれまでの巖谷氏の著作をまとめたエッセイ篇とし、Ⅲ巻には澁澤夫人・龍子氏との対談も掲載。Ⅳ・Ⅴ巻はトーク篇となっており、澁澤氏にゆかりの深い人物たちとの対談集になっています。
澁澤龍彦の愛読者・支持者・研究者ばかりでなく、文学・美術・思想・文化に関心をもつ幅広い人々に向けた一大集成です。